春季東北地区高校野球青森県大会の準決勝が24日、八戸市長根公園野球場であり、八戸学院光星と青森山田が25日の決勝に勝ち上がった。両校と、3位決定戦(25日、青森北―弘前学院聖愛)の勝者は6月に山形県で開かれる東北大会に出場する。
八戸学院光星は青森北を4―2で振り切った。四回、敵失に乗じて3点を先制。青森北に2点を返されたものの、八回に山上が右本塁打を放ち、勝利を引き寄せた。
青森山田は弘前学院聖愛に4―0で快勝し、昨春の決勝の雪辱を果たした。1点リードの五回に4安打を集めて3点を追加。エース下山が相手打線を3安打に抑えた。
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青森北の神(じん)騎士投手(3年)は失策をした選手ではなく、自分を責めていた。「もっと大きい声でトスとか、ここに投げてこいと言えばエラーはなかった」
四回2死満塁で一ゴロに打ち取った。ベースカバーに走ったが、一塁手の小野晟雅(せいが)選手(3年)の送球は大きくそれ、3人の走者が本塁へかえってきた。「切り替えて」。人を守れる強い人間になるようにと、「ないと」と名付けられた神投手は小野選手に優しい言葉をかけた。
工藤公治監督は「全体を見ながら冷静に投げられる選手」と評する。178センチ67キロで、腕をしならせた力みのないフォームが特長。この日は、キレのある球で丁寧にコーナーをついた。
7回を投げて被安打6。3点は失ったが、強豪・八戸学院光星に自責点は0だった。動画を見て相手打者を分析。苦手な球をノートにメモし、試合中にも見返した。そんな努力も好投につながった。
春の悔しさは夏にぶつける。「夏は全部勝って、甲子園に行きたい」。そう、力を込めた。